ここでは、一般的な点についての「一般Q&A」とキリスト教的、カトリック的な疑問に応える「カトリックQ&A」とに分けてありますが、両方を連続して読むことができます.なおここでの内容には、他のページでの説明と重複する点も含まれていることをご了解下さい.
一般Q&A
ここでは、一般的な点をQ&Aにしました.
プログラムの指導は誰がするの?
指導は、多くの場合ダナン・マーリー神父ですが、カルボ神父のアウトラインに沿って、他のカトリック司祭(神父)が指導することもできます.
クリスチャンのためのものなの?
参加はクリスチャンに限られません.これまでも宗教をお持ちでない方がたくさん参加なさっています.SADEなどは、クリスチャンでない参加者のほうが多いこともあります.お寺のご住職ご夫妻が ME に参加なさったこともあります.ですからもちろん、プロテスタントの方も参加なさってかまいません.実際に参加なさっています.(もちろん司祭のエンカウンターだけは、必然的に全員カトリックということになりますが.)
プログラムに参加したらカトリックやキリスト教への入信を勧められないの? ことばでは勧めないにしてもそういう無言の雰囲気があるんじゃないの?
F.I.R.E.S. はカトリック教会の考え方にもとづいて行われるものですが、布教のためのプログラムでも入信をすすめるためのプログラムでもありません.むしろカトリック信者でない方やクリスチャンでない方の参加に十分配慮しており、プログラムの中で使われる資料は、信者でない方のためのものも用意されています.また、入信させられるような雰囲気は一切ありません.信者でない方で、喜んで何回も続けて参加なさっている人々がいらっしゃることが、その証拠となるでしょう.
誰でも参加できるんですか?
それぞれのプログラムに、夫婦とか婚約者とか中学生以上とか、目的に応じた対象がありますが、それ以外の条件はありません.またプログラムの中で使用する資料は、英文のものも用意できますので、日本語の資料が十分に読めない方(国際結婚の方など)も参加して頂けます.なお、英語を話すご夫婦たちのための英語によるマリッジ・エンカウンターもときどき企画されますので、ご相談下さい.
マリッジ・エンカウンターは、問題のある夫婦にとって、とても有益なものだと聞いたんだけど、そうですか?
マリッジ・エンカウンターは、たしかに危機的状況にあるご夫婦が参加すれば、その問題を解決できる場合が多いものです.これまでも離婚寸前のご夫婦が参加して、ME への参加をきっかけに素晴らしいご夫婦になられた例がじつにたくさんあります.ですから、問題を解決しようというお気持ちを持って、ぜひ参加なさって下さい.また、別居中のご夫婦でも参加できますし、すでに離婚なさったご夫婦でも、再婚していないならそのお二人で参加することができます.(このことについての詳しい説明は、カトリック用Q&Aをご覧下さい.)
知り合いからマリッジ・エンカウンターへの参加を勧められました.でも私たち夫婦は仲がいいし、とくに問題はないんだけどなあ?
MEは、問題のない仲の良いご夫婦が参加なされば、きっといっそうすばらしいご夫婦になれます.だから喜んで参加なさって下さい.
ただし、どんなに問題の無いように見えるご夫婦でも、自分たちの気づいていない問題を持っていないとは限りません.ME では、お互いにそれに気づいて解決し、さらにすばらしいご夫婦になれる可能性があります.
個人のためのプログラムであるセルフ・エンカウンターやセルフ・レトルノに、夫婦二人で参加してもいいんですか?
はい、かまいません.ご夫婦なら、まずマリッジ・エンカウンターをお勧めしますが、セルフ・エンカウンターが、ちょうど都合のいいときに居住地の近くで開催されるということもあるかもしれませんね.そのときは、どうぞお二人でそれにご参加下さい.そしてご夫婦であると申し込みの時におっしゃって下さい.
学校でこのプログラムを取り入れているところがあるって聞いたけど...?
はい、北海道のある私立高等学校では、もう十数年前からサデーを取り入れています.
また、名古屋市にあ聖霊看護専門学校では、ダナン・マーリー神父によるサデーとセルフ・エンカウンターを、それぞれ1年生と3年生の正規のプログラムとして取り入れていました.サデーとセルフ・エンカウンターの体験については、同校のページで長く紹介されており.ダナン神父とのエンカウンターのことが、「感動の3日間です」と紹介されていました.また、看護学校の学生に囲まれたダナン神父を描いた、学生とシスター共作の可愛らしいイラストも掲載されていました.(この学校のページへは,学校の許可を頂いて,このページからリンクしていました.しかし聖霊看護専門学校は 2004年3月をもって閉校しました.)聖霊病院の看護師さんたちは、患者さんからも医師からも大変に評判が良いのですが、その理由のひとつは、看護師さんたちが看護専門学校時代にこの二つのプログラムを体験していることだろうと言われています.
参加費用はいくらくらいかかるのかな?
費用は実費のみを頂いていますから、使う施設によって異なります.例として SADE は一人 10,000 円程度で、マリッジ・エンカウンターはお一人 12,000 円前後です.なお、開催を金銭的に補助してくださる方や組織がある場合、これよりさらに安くなることがあります.
何日間のプログラムなの?
このページで紹介しているプログラムは、婚約者のエンカウンターが2日(通常は通いで行います)で、司祭のエンカウンターが3泊4日である他は、すべて2泊3日で行われ、連休などの場合をのぞけば、金曜日の夜から日曜日の夕方頃までです.したがって、学校へ行っている方やお仕事を持っている方も、金曜日に学校やお仕事を終えてから参加することができます.また日曜にお帰りになれますので、翌週の学校やお仕事にも差し支えません.
3日間どうしても取れないんだけど、途中から参加したり途中で抜けたりしてもいいのかなあ?
F.I.R.E.S. のプログラムは、どれも全体の流れと構成が綿密に工夫されており、最初から最後まで参加してこそ本当の実りが得られるものです.また、途中から参加すると大切な準備がなされないまま参加することになってしまう恐れがありますし、途中で抜けるとプログラムの到達点に至らないままの体験になってしまう恐れがありますので、得られるものが少ないばかりか、プログラムを誤解してしまうこともあるかもしれません.
サデー に13 回参加した少女がいます.(ダナン神父によると、世界記録だということです.)この人は、途中から出たり途中で抜けたりすることについて相談されるといつも、「映画を見るのに途中から見たり途中まででやめたりしたらどう?」とか、「本を読むのに2章から読んだらどう?」と説明しているそうです.うーん...これはなかなか良い説明です.
このように、一部だけ参加することはお勧めしません.しかしたとえ途中からでも、出ないより出た方がずっといい場合もあるでしょう.そのため、事情によっては認められ、それに対する手当がなされる場合もあります.(たとえば、どうしても2日目の朝からしか参加できないけれど、ぜひ参加なさったほうがいいと考えられる場合、指導司祭が1日目の夜の内容を、時間のあるときに特別に説明するなど.)ですから、そういう場合はまず指導司祭(ほとんどはダナン神父)に相談してくださるようお願い致します.
プログラムがたくさんあるけど、まずどれに参加すればいいの?
結婚前のお二人あるいは結婚後間もないお二人には、婚約者のエンカウンターをお勧めします.結婚後何年か経ったご夫婦なら、まずマリッジ・エンカウンターに参加してみて下さい.その後は、お子さんがいらっしゃるご夫婦なら、マリッジ・リ・エンカウンターに、また、カトリック信者であれば、お子さんの有無に関わらず、マリッジ・レトルノに参加なさるといいでしょう.
未婚の若者はまず、SADE に参加なさることをお勧めします.その後、カトリック信者ならとくに、サデー・レトルノに参加なさるといいでしょう.
未婚・既婚や年齢を問わず、大学生より上の年齢の方がお一人で参加なさるのなら(未婚でお若いならまずSADEをお勧めしますが)、セルフ・エンカウンターに、そしてカトリック信者さんなら、セルフ・レトルノがいいと思います.
なお、家族で参加するファミリー・エンカウンターも素晴らしい体験です.家族の場合、まずご夫婦が ME に参加なさり、お子さんがサデーに参加なさって、その後みなさんでファミリーエンカウンターに参加なさるのが理想的ですが、必ずしもこの順序にとらわれる必要はありません.どれから参加なさっても大きな実りがあると思います.
司祭、修道女などの聖職者は、お若ければまず SADE に参加なさるといいでしょう.そしてセルフエンカウンターの他、ME にも参加できます.また、それぞれのレトルノにもぜひ参加なさるといいでしょう.もちろん司祭は、司祭のためのエンカウンターにぜひ参加して頂ければ大変に嬉しいです.
以上のように、厳密にはまずどれから参加しなければならないという順番はありません.また、続けて次々に参加しなければならないという決まりもありません.お住まいのお近くで参加できるものに参加なさるのがいいでしょう.なお、参加について迷ったら、どうぞお気軽にご相談下さい.
不登校の子が、サデーに参加して学校に通えるようになったって聞いたんですけど、そんなことあるんですか?
子どもが不登校(登校拒否)になる理由はさまざまです.そもそも現在の学校は、大変にたくさんの問題を抱えていて、子どものための場所だとはいえない面もあります.ある有名な精神医学者は、「現在のような学校なら、まともに通える子のほうがむしろ問題だ」とさえ言っています.ですから、不登校は子どもにだけ問題があるわけではありません.
しかし子どもが何らかの問題をもっている場合もあります.そしてそのばあい、その問題は、家族との関係であったり家庭における問題であったりする場合が多いのです.そのような場合、サデーに出て家族との関係が良いものになったために、学校に通えるようになった例は実際にいくつもあります.
うちの子は不登校です.それを知った親しい人が、「ご両親がマリッジ・エンカウンターに出てみたら」と勧めてくれました.どうしてでしょう? 不登校なのは子どもで、私たちじゃないのに...
上にあるように、不登校の理由はさまざまで、そもそも学校に問題がある場合もありますが、不登校の理由が少しでもお子さんにある場合、その背景となっているのは、家族の問題である場合が多いのです.そして、家族の問題の基礎になっているのはご両親、つまりご夫婦の関係なのです.
実際に、不登校だけでなく、不良行為や非行に走っているお子さんを持つご両親がマリッジ・エンカウンターに出て、ご夫婦の関係を良いものにし、さらに、お子さんとの関係を見つめ直したことで、ご両親とお子さんとの関係もよくなり、お子さんが満たされることで問題が解決した例もたくさんあります.
サデーもマリッジ・エンカウンターも、問題を持っている子を矯正するものではありません.その背景となっている「家族のあり方」を良くする力をもっているものです.しかし、「すべての問題は家庭から始まる.しかしその解決もまた家庭にある.」と考えられます.(これはいつもダナン神父が言うことばです.)ですから、家庭を良いものへとよみがえらせることで、お子さんの持っている問題が解決できることが多いのです.ある参加者の次のことばを添えておきましょう.「お子さんが変わる必要があるなら、まず親が変わらなければなりません.」
カトリックQ&A
ここでは、カトリック信者の方がとくに知りたいと思うような点をQ&Aにしてあります.
ダナン神父様ってフランシスコ会でしょ.FIRESって、フランシスコ会がやってるんですか?
違います.ダナン神父をはじめ、このプログラムに関わっているフランシスコ会の司祭はたしかに複数おられますが、教区司祭や他の修道会の司祭が指導司祭になることもあります.国によっては司教様が関わっているところもあります.
また、創始者のカルボ神父は、スペインのDiocesan Laborer Priests 「労働『刈り入れる』教区の司祭達」の所属です.つまり、特定の修道会によるものではありません.
プログラムの指導司祭になるための条件は、カルボ神父のアウトラインに沿って行うことと、指導するプログラムに自ら参加して体験しておくことだけですから、どのような司祭でも指導司祭になることができるわけです.
マリッジ・エンカウンターには離婚したご夫婦が参加したことがあるって聞いたけど、それって、いいの?
はい、可能ですし、ぜひ参加なさって下さい.
これはカトリック教会の教義に関わるのですが、カトリック教会では、法律的には離婚したご夫婦でも、神の前ではいぜんとして夫婦だと考えていますから、離婚したお二人がご夫婦として参加することは可能なのです.これは、信者でないご夫婦についても同じです.ただしカトリック教会は教義上、死別以外の場合には教会法上認められる特別の場合を除いて再婚を認めないので、離婚したご夫婦が他の方と再婚なさった場合には、残念ながら参加できません.ぜひ、そうなる前に参加なさって下さい.
マリッジ・エンカウンターやマリッジ・レトルノ には、司祭や修道女も参加できるの? 結婚してないのに...
はい、夫婦のためのプログラムには、ご夫婦の他に司祭や修道士や修道女なども参加できます.その場合、プログラムで使う資料の一部は、その人たちのものが用意されます.そういった人たちが ME に参加できるのは、これらの人々はたしかに独身ではあっても、神との永続的な関係を誓った点で、夫婦と共通点があるからです.またそのような点で、司祭の叙階の秘蹟と夫婦の婚姻の秘蹟が、共通点を有するからだとも言えるでしょう.くわえて、これらの人々にとって、自分たちが働く対象である夫婦や家族について理解することが、大変に有益だからです.またもちろん、サデーやセルフ・エンカウンターなどの個人のためのプログラムにも、司祭、修道女、ブラザーが参加できます.
ME に2系統あるって聞いたんですけど...?
創始者のカルボ神父が ME を始めた後、カトリックの世界的な組織である CFM (Christian Family Movement:家庭会) に招かれてアメリカにわたり、アメリカで ME を紹介しました.それに感銘を受けたイエズス会司祭らにより、心理学者のロジャースの方法論を取り入れて、主として夫婦の間の対話を重視したプログラムができました.これも世界に広まり、日本にも入ってきています.これは「ワールドワイド・マリッジ・エンカウンター」と呼ばれます.(実施するときは「マリッジ・エンカウンター・ウィークエンド」とも呼ばれます.)
それに対して FIRES の ME は、カルボ神父の創始以来の精神とプログラムを受け継いでいるもので、ワールド・ワイドと区別する場合は「オリジナル・マリッジ・エンカウンター」と呼ばれます.両者は目的は同じですが、あえて違いを述べれば、前者が夫婦の間の「対話」を重視する方法論を採っている点に特徴があるのに対して、後者は「主においての家族の一致」をめざすものと言えます.
なお F.I.R.E.S. では、社会の状況や参加された方のその後のニーズに応じて、上のように多様なプログラムとして発展してきていますが、ワールドワイド・マリッジ・エンカウンターの方のプログラムは、ME 以外には、若者のための「ヤング・ウィークエンド」だけがあります.
さらに詳しくお知りになりたい方は、カトリック中央協議会出版の『カトペディア ’92 』の「マリッジ・エンカウンター」の項(P64)と「ワールドワイド・マリッジエンカウンター」の項(P67) をご参照下さい.
外国ではプロテスタントの教会にもマリッジ・エンカウンターがあるって聞いたことがあるんですが、本当ですか?
はい、そのとおりです.よくご存じですね.
創始者のカルボ神父は、マリッジ・エンカウンターのアウトラインに沿って、これをプロテスタントの教会で実施することも良いことであると考えています.したがって外国では、聖公会やその他のプロテスタントの教会で、聖公会司祭あるいは牧師の指導によってマリッジ・エンカウンターが行われる場合があります.また、ドイツで現在カトリック司祭の指導で行われているマリッジ・エンカウンターには、プロテスタントの牧師さんも参加しており、将来、ドイツのプロテスタントの教会で牧師の指導によってマリッジ・エンカウンターが行われる可能性があります.ただしカルボ神父は、その場合にはそれぞれの教派の名を冠してマリッジ・エンカウンターを行い、参加者がとまどうことのないようにすべきだとしています.
参考までに、アメリカでマリッジ・エンカウンターが行われていると確認できるプロテスタント教会の諸派の名前をあげておきます.英国聖公会(アングリカン・チャーチ)、浸礼派教会(バプティスト)、監督教会派(エピスコパル)、長老派(プレスビテリアン)、ルター派教会、アッセンブリー・オブ・ゴッド教団、安息日再臨派教団(セブンスデー・アドベンティスト)、合同キリスト教会(ユナイテッド・チャーチ)、合同メソジスト教会(ユナイテッド・メソジスト).なおアメリカでは、ユダヤ教の教会でもマリッジ・エンカウンターが行われています.これを見ても、マリッジ・エンカウンターがいかに広く支持されているかがお分かりだと思います.